2008年にヘルシンキで始まった北欧最大のスタートアップイベント「SLUSH」。今年のイベントには、主催者によると、約5千人のスタートアップ、約3千人の投資家など、来場者約1万3千人が参加見込みとのことであった。欧州や北欧、フィンランド国内のほか、アジアや北米などからのスタートアップが参加した。
ステージイベントなども含めSLUSH全体としては、AI、Climatetech、gamingなどの分野がトレンドと映った。当事務所が過去に参加した別の欧州の主要イベントであるWeb Summitとの比較でいうと、規模感が手ごろで、また投資家の参加割合が高いような印象を受けた。スタートアップと投資家・企業間など、会場でのネットワーキングのためのツールとして、SLUSH専用アプリが効果的に活用されていた。
Japanパビリオンには、スタートアップ企業計8社が出展。横浜からは、横浜ビジネスグランプリ2023、「オーディエンス賞」受賞企業の株式会社kitafukuが出展した。クラフトビールのモルト粕を紙としてアップサイクルする取組を行うCleantech企業。醸造所の数が増加傾向にある中、現在、モルト粕の多くは焼却処分され、それによるCO2排出の問題などに着目した。今回が日本国内も含め初の展示会出展とのことであった。
同社の松坂匠記代表取締役は、「北欧や欧州にとどまらず、中東、アジアなどからの投資家や企業と、今後に向けた可能性を見いだせた」と語った。また、出展目的や今後の展望に関しては、「アップサイクルに係るノウハウ・技術などをビジネスモデルとして販売する海外展開に向け、どのような相手と具体的に進めて行けるのかなどを探ること」といったお話や、「まず海外で、物流や印刷会社、ブルワリー等と関係を築き、ビジネスモデルの実績を作りたい。その上で、それを日本にも持ち込み、地域ごとの取組モデルとして全国へ広げたい。」など力強く語った。