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市民の足を支えるIoT事業から考える、 横浜で働くこと

執筆者 | 2024年5月6日

日本有数のビジネス都市、横浜。

開港以来、文明開化の中心地として繁栄し、鉄道や水道など“横浜発祥”と言われる技術が数多く生まれ、多くの技術・文化を受け入れ発信してきました。近年では、大企業の本社および研究開発拠点が多数集まるなど、ビジネス都市としてさらなる発展を遂げています。

そして今、横浜市が目指すのは「イノベーション都市」として日本をリードする自治体となること。そのために、横浜ではさまざまな取り組みが行われていますが、なかでも特に注目を集めているのが、「実証実験サポート」です。

今回は、横浜を中心にソフトウェア・システム開発を手掛ける株式会社ジェイエスピーに、この「実証実験サポート」を活用したビジネスと、横浜で働く魅力についてお聞きしました。

 

横浜市のオープンイノベーション推進事業

 

横浜経済の強みである「ものづくり・IT産業の集積」。

横浜市はこれを活かし、ディープテックなどの先端技術を活用した新たな製品やサービス、ビジネスモデルの創出を目的とした実証実験やビジネスマッチング、研究開発の伴走支援を行っています。

実証実験の支援については、企業・団体からの事業相談に対し、市内企業とのマッチングや実証実験の実施機会の提供、事業計画の策定支援などを行っています。その他にも、実証実験のフィールドとなる場所を事前に選定し、そのフィールドの課題を解決する製品やサービスを募集。採択された提案をもとに実証実験を行うことで、新規ビジネス創出の後押しをしています。

 

これらの取り組みのひとつとして、横浜市経済局は、市内の鉄道事業者である相模鉄道株式会社(相鉄グループ)と連携した実証実験プロジェクトを立ち上げました。

1日平均55万人が利用する相鉄線。より安全に、より快適に利用してもらいたい、という相鉄グループの想いを受け、「鉄道駅の安全・安心、快適性、魅力の向上」をテーマに、プロジェクト提案を募集。相模鉄道の駅を実証フィールドにできるということもあり、市内をはじめとした複数の企業から提案が寄せられました。

moni-meter開発リーダーの岩田さん

鉄道駅の安全・安心のために

 

さまざまな企業が提案を行い、実証プロジェクトとして採択されたうちのひとつが、ジェイエスピーの設備点検システム「moni-meter」でした。

moni-meterは、スマートフォンで点検箇所を撮影して記録。作業員の代わりにAIが値を読み取り、メーター点検をより楽に、より正確に行ってくれる優れものです。

これまでの点検業務は紙運用がほとんど。AIが自動的に読み取ってくれ、写真が記録として残るmoni-meterは、人的ミスによる誤検針や、紙の点検表への記入・目視確認の負担削減に役立ちます。

 

今回ジェイエスピーがプロジェクトに応募した背景には、どのような想いがあったのか。moni-meter開発リーダーの岩田さんに、その想いをお聞きしました。

「今回私たちが応募したのは、moni-meterの開発の根底にあったテーマと、相鉄グループが大事にする想いが合致したことが大きかったです。開発の根底にあったテーマとは、『鉄道駅の安全・安心』です。普段何気なく利用している相模鉄道、1日平均55万人という利用者数の多さやそこで作業する人々の想いを知ると、安全・安心であることの重要性やそこに貢献できる重みを改めて感じ、これは応募するしかないと思いました。moni-meterは鉄道駅に限らず、工場やビル設備などのメーター点検業務全般に使えるものです。今回のプロジェクトをきっかけに、このシステムがより多くの方の目に留まり、横浜を中心にさまざまな場所へ活躍の幅が広がると嬉しいです。」

 

JSP moni-meter app
JSP moni-meter app

今回ジェイエスピーがプロジェクトに応募した背景には、どのような想いがあったのか。moni-meter開発リーダーの岩田さんに、その想いをお聞きしました。

「今回私たちが応募したのは、moni-meterの開発の根底にあったテーマと、相鉄グループが大事にする想いが合致したことが大きかったです。開発の根底にあったテーマとは、『鉄道駅の安全・安心』です。普段何気なく利用している相模鉄道、1日平均55万人という利用者数の多さやそこで作業する人々の想いを知ると、安全・安心であることの重要性やそこに貢献できる重みを改めて感じ、これは応募するしかないと思いました。moni-meterは鉄道駅に限らず、工場やビル設備などのメーター点検業務全般に使えるものです。今回のプロジェクトをきっかけに、このシステムがより多くの方の目に留まり、横浜を中心にさまざまな場所へ活躍の幅が広がると嬉しいです。」

 

Mr. Takahiro Iwata and Mr. Wataru Nozawa, Director of Business Planning at JSP

横浜のビジネス都市としての魅力

ジェイエスピーが横浜に拠点を置くワケ。

その理由を、経営企画部長の野澤さんは次のように話します。

「ひと言でいうと、『ネットワークを構築しやすい環境』があるからです。ソフトウェアを製造する工場が集まっていたり、IT産業のトッププレイヤーと呼ばれるお客さまが近くにいて一緒にお仕事できるチャンスがあったりなど、ビジネスに必要な環境が整っています。その他にもパシフィコ横浜などで行われる展示会、業界団体の会合、イベントなど業種を問わずつながれる機会が多く、ここに拠点を置いて良かったと感じています。」

 

また、横浜は交通の便が良いため社員やお客さまのアクセスの利便性が高いことや、市内の大学との関係も構築できて採用面でも有利だとも教えてくださいました。

長きにわたり、横浜を拠点にビジネスを行ってきたジェイエスピー。最後に、今後チャレンジしたいことについてもお聞きしました。

 

「横浜市のパワーを最大限に活用して、ビジネスを展開していきたいと思っています。いま横浜市は、ベンチャーとのマッチングに加え、それこそ今回のような相鉄グループのような大きな会社とのマッチングを積極的に行っています。新たなビジネスを創出するための機会の提供や、ビジネスを発展させていくためのサポート体制が充実している横浜。このパワーを活用することで、新たな化学反応を起こせる気がしています。ネットワークを広げ、シナジーを生み出すことで、お互いを成長させていく。ジェイエスピーもその中心に存在し、私たち自身の発展はもちろん、横浜市の発展にもつなげていきたいです。」

Mr. Wataru Nozawa, Director of Business Planning at JSP, gesturing expansively
Mr. Takahiro Iwata and Mr. Wataru Nozawa, laughing at JSP, a Yokohama-based company

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