7月14日(月)、米国・ニューヨークの国連本部において、持続可能な開発目標(SDGs)の進捗状況をフォローアップ・レビューする「持続可能な開発目標に関するハイレベル政治フォーラム(HLPF)」が開幕しました。
本フォーラムは、国連経済社会理事会(ECOSOC)の主催のもと、毎年各国の閣僚級代表や市民社会、国際機関のリーダーが一堂に会し、持続可能な開発のための政策的指針を議論する最重要会合のひとつです。今年は「誰一人取り残さないための、持続可能で包摂的、科学的・エビデンスに基づいた解決策の推進」が全体テーマに掲げられています。
2025年のHLPFでは、SDGsの中でも特に目標3(保健)、目標5(ジェンダー)、目標8(経済成長と雇用)、目標14(海洋資源)、目標17(実施手段とパートナーシップ)について詳細なレビューが行われる予定です。加えて、2030アジェンダ採択から10年という節目にあたり、各国の自発的国家レビュー(VNR)を通じてSDGs実施状況が共有されます。日本政府も今年のVNRを発表済みであり、その中で横浜市が開催を予定する「GREEN×EXPO 2027」が紹介されています。
HLPF2025オープニングセッション
7月14日(月)、HLPF初日の開会セッションでは、ロク・バハドゥール・タパ国連経済社会理事会副議長による開会挨拶ののち、アミナ・モハメッド国連副事務総長が基調講演を行い、SDGsの進捗状況に関する国連事務総長報告書を元に、SDGsの進展が不均衡かつ限定的である一方で、着実な前進の兆しもあることを示していることに触れ、今後のCOP30(気候変動枠組条約第30回締約国会議)をはじめとする多くの重要な節目を捉えながら、2030アジェンダに向けた国・地域・世界レベルでの集団的前進を力強く後押ししていくことを述べられました。
続いて開催されたパネルディスカッション「Unlocking means of implementation: Mobilizing financing and STI for the SDGs」では、4兆ドルとも言われるSDGsの年間資金ギャップの解消と、科学・技術・イノベーション(STI)の活用をテーマに活発な議論が行われました。財政面では、6月に開催された開発資金の動員や制度改革を議論する10年に一度の国連会合である第4回開発資金国際会議(FfD4)で合意された方針に基づき、公的資金と民間投資を連携させる「ブレンデッド・ファイナンス(官民連携型の資金調達)」の活用が注目を集めています。一方、STIに関しては、AIなど先端技術の急速な発展と同時に、技術格差や人権・プライバシーへの懸念が指摘され、法制度や教育環境の整備、国際的な協力の強化が求められました。
SDGsの目標年次である2030年までカウントダウンが始まる2025年のHLPFでは、若者、都市、地域様々な単位で現状のアップデートと更なる連携に向けた議論が行われています。横浜市米州事務所では、都市レベルのSDGs実践を紹介するイベントをはじめ、それぞれの現場でSDGsを推進するリーダーに横浜の取組を共有し、グローバルな連携を図っていきます。