2025年8月、財団法人台湾デザイン研究院および、サーキュラーエコノミー・サーキュラーデザインに取り組む企業やスタートアップから約20名が、日本の先進自治体のサーキュラーエコノミー政策を視察すること目的に来日され、循環型社会への移行に向けて取り組んでいる横浜市が、その視察先の一つに選ばれました。
地球の持続可能性への課題が広く認識されるようになった今、横浜市は、経済的な観点での成長・発展に加え、環境への負荷を押さえ、自然と調和した暮らしの実現につながるサーキュラーエコノミーを、重要な政策として位置づけ、環境と経済の好循環を通じた持続可能な都市づくりに挑戦しています。
横浜市は、視察団向けにセミナーを開催し、横浜市のサーキュラーエコノミー事業にかかわる各担当者が、市全体のサーキュラー施策の特徴のほか、企業や市民との連携による廃食油のSAF(持続可能な航空燃料)への利活用の取組、公共建築物の資材のアップサイクル、歴史的建造物を生かしたサーキュラー活動の拠点づくりなどの個別事例を紹介しました。プレゼンテーションを受けて、視察団からは、市の全体戦略の中におけるサーキュラー政策の位置づけ、SAFプロジェクトの進捗状況、建築資材の二次利用に係る施設側との調整状況など、多くの質問が寄せられるなど、横浜市のサーキュラーエコノミーの取組に強い関心を持っていただきました。また、台湾デザイン研究院がこれまで関わってきた台湾におけるデザイン政策や企業イノベーションを紹介いただき、相互の知見が共有されました。
2025年11月25日から27日には、循環型社会の実現をテーマとした、横浜市主催のアジア・スマートシティ会議が開催されます。横浜市は、今後も世界の都市と共に、サーキュラーなまちづくりに取り組んでいきます。
【参考】
財団法人台湾デザイン研究院(Taiwan Design Research Institute, TDRI): 2020年に台湾政府が設立した組織。デザイン振興組織である台湾デザインセンターが前身。デザインを通じて社会・産業・政策の革新を推進することを目的としている。