優れた人材
- 横浜市には、高スキル人材を引き寄せる企業や研究機関が集積しています。
- 優れたイノベーションを生み出す研究者や技術者を輩出する教育機関も揃っています。
- 各大学等には、人材ニーズが高い技術分野に重点をおいたプログラムや研究拠点が設立されています。
- 国際的なビジネス環境で活躍できる人材の育成に重点を置いた教育が実践されています。
人材の集積
横浜市には、政令指定都市の中で最も多くの学術・研究開発機関が集積しています。平成28年度国勢調査によれば、その数は157社。これらの学術機関が横浜市の人材の集積の源泉となっています。特に専門・技術的職業従事者は非常に多く、人口に占める技術者は9.3%と全国トップクラスで、東京、大阪、名古屋などの他の大都市を上回っています(平成29年就業構造基本調査に基づく)。また、人口に占める大卒者の割合でも横浜市は全国平均を10ポイント以上上回ります。
優秀なSTEM人材を育成する教育基盤も整っています。市内26校の大学のうち9校がSTEM分野に強い大学であり、理化学研究所横浜キャンパスなどの公的研究機関や民間企業、海外の大学などとの連携研究を幅広く実施しているほか、先端的な研究開発への参加を通じて、高い専門性やコミュニケーション力を習得した学生を輩出しています。また、横浜市は2008年、STEM教育に特化した横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校を開校、ノーベル賞受賞者をはじめとする研究機関・大学・企業に属する研究者のアドバイスの下、理化学研究所や横浜市立大学などとも連携し、将来を担う科学者の育成に努めるなど、横浜市には人材の集積のパイプラインがあります。
近年では、今後さらに人材ニーズが高まっていくとみられる技術分野に重点を置いた取組みも各大学で行われています。横浜市立大学は2018年4月、首都圏初のデータサイエンス学部を開設し、慶應義塾大学は「先導的研究センター」の多くを同大学理工学部のある横浜市内矢上キャンパスに設けているほか、2018年には「量子コンピューティングセンター」と「先端数理科学研究センター」の新設を発表しました。
横浜市内の教育機関はグローバルに活躍できる人材の育成も重視しており、文部科学省指定のスーパーグローバルハイスクール123校のうち5校が横浜市内にあります。これらの高等学校では、国内の大学、企業、国際機関等と連携して、グローバルな社会的課題の解決に取り組み、将来国際的に活躍できるグローバル・リーダーの育成を目指した質の高いカリキュラムを導入しています。
また、市内の大学では、北米を含む海外の大学との連携を通じた人材育成に取り組んでおり、神奈川大学や横浜国立大学などでは、海外企業へのインターンシップ支援なども行っています。横浜市立大学は、カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)、ブリティッシュコロンビア大学(UBC)などと交流協定を締結しています。これらの大学では世界中から優秀な人材を留学生として受け入れており、横浜市は、これらの留学生と市内の外資系企業をマッチングするなど、さらなる人材の集積に向けた取り組みを行っています。