米国気候テックイベントとスタートアップの興隆

米国気候テックイベントとスタートアップの興隆

2022年、米国では、気候変動を解決するための技術(以下、気候テック)に関する、実に多彩なイベントが開催された。米国にはシリコンバレーに代表されるように、人材が集まり、新興企業(以下、スタートアップ)が次々と誕生しては淘汰され、その中でイノベーションが創発されるエコシステムが都市や地域に存在する。地域によっては、特定の分野・領域においてユニークで強力なエコシステムが発展している事例が見られ、サンフランシスコ・ベイエリア、ボストン、ニューヨークといった都市・地域には、気候テックの領域で、スタートアップのエコシステムが存在し投資を呼び込ん...
サンフランシスコ・ベイエリア:脱炭素政策

サンフランシスコ・ベイエリア:脱炭素政策

サンフランシスコ市政府は早くから「環境正義」を柱の一つに掲げ、継続的に脱炭素政策に取り組んできた。「環境正義」について、米国環境保護庁(EPA)は「環境関連の法規制や政策の策定、実施、施行に関して、人種や肌の色、国籍や所得に関係なく、すべての人々が公平に扱われ、有意義に関与すること」と説明している(1)。米国では「環境正義」への関心は高く、バイデン大統領は2021年7月20日、経済的に不利な立場にあるコミュニティの経済的機会を促進するイニシアチブ「Justice40」を大統領令として発表している(2)...