5月15日、NY州も北部で一部地域が再開した。
再開地域では、例えば、小売店でまだ買物はできないが、あらかじめ頼んでおいたものを受け取ることができる。ガーデンセンター、建設業、製造業などが再開可能になった。やっと漕ぎつけた経済社会活動再開の第一段である。
クオモNY州知事は、COVID-19の対策にあたって Facts and Data を一貫して重視してきた。毎日の記者会見は、冒頭に前日の総入院者数、前日一日あたりの新規入院者数と死亡者数を説明し、その増減を確認することから始まる。
今回の再開計画 “New York Forward” も、もちろん Facts and Data を指標として進んでいる。地域ごとにクリアしなければならない ”7つの基準” である。
- 総入院者数が14日連続で減少、または直前3日の平均で15人未満
- 一日の死亡者数が14日連続で減少、または直前3日の平均で5人未満
- 一日の入院者数が直前3日の平均で10万人あたり2人未満
- 空き病床が最低3割
- ICUの空き病床が最低3割
- 一日の月一回検査数が直前7日の平均で千人あたり30人
- 接触追跡人員を10万人あたり30人、または感染率に基づき確保
4月の失業率が14.7%と、経験したことのない領域にまで至り、経済の回復に大きな期待がかかる一方、NY州では、まだ毎日2,000件以上の感染が確認されているし、死亡者は減少が続いているとはいえ、5月16日には139人、その内NY市では69人が今なお一日で亡くなっている。クオモ知事は、また、第2波を抑えるため、再開後に、一人の感染者が移す平均人数「実効再生産数」が1.1を越えたら、再開を停止することにも言及している。期待が高まるなか ”New York Forward” を確実に進めていくためにこそ、Facts and Data を注視し続けることが不可欠であろう。
NY市域については、”7つの基準” のうち現時点で3つしかクリアしていないため、Stay-at-Home を求める行政命令 “New York State on Pause” が5月28日まで延長された。
だが、出口はもうそこに見えている !
machts
参考
横浜市では、市内企業・団体等の皆様にお役立ていただくため、感染が世界的な拡大の兆しを見せた2020(令和2)年2月から、フランクフルト、上海、ムンバイ、ニューヨークに所在する4つの事務所が、それぞれの所在地域における新型コロナウイルス感染症に関する情報を独自に収集し、神奈川新聞及び各事務所のウェブサイトで発信してきました。
そのような、まさに現地に駐在している職員だからこそ可能な、現地における市民生活への影響、経済活動の動向、感染症対策などに関する情報発信は約1年間に渡り、57件を数えました。このたび、それらを「コロナ禍の世界 記録集」として一冊にまとめ、改めてお届けします。
コロナ禍の世界 記録集(2020~2021年)27.57MB