2020年8月14日 金曜日 神奈川新聞掲載
執筆 関山誠

利用者が増えているニューヨーク市の自転車シェアシステム「Citi Bike」の専用駐輪場。8月5日、タイムズスクエア近く

ニューヨーク市は、社会経済活動再開の最終段階に入った。だが、身の回りと先行きへの不安はまだ拭い切れない。
ビジネス街に人が戻らない。再開後、15万人から30万人が仕事に復帰すると予想されたが、ロックダウン以前のように戻っていない。車の通行もホットドッグの屋台も少ないままだ。来年までオフィスは開けないという銀行や会計事務所の話も聞こえる。
観光客も減る。ニューヨーク州は感染が広がる他州からの来訪者に14日間の自主隔離を義務付けている。対象は全米50州のうちの31州。国内外からの観光客は一昨年、6500万人を数え、440億ドルをもたらしたが、それが消える。
地下鉄もまだ安心はできない。徒歩や自転車、スケートボードが日常の有効な移動手段になり、同市の自転車シェアシステム「Citi Bike」の利用も増えている。
片や、銃犯罪が急増した。同市は数十年、国内で最も安全な大都市と言われてきた。だが、独立記念日の週末には64件が報告された。1月から7月12日までの間、前年394件だった銃犯罪は今年、634件に上った。
ニューヨークはこれまで、経済破綻や犯罪まん延など、幾度となく危機を乗り越えてきた。2008年の金融危機を切り抜けたことは記憶に新しい。コロナ禍は今までと違い、完全には元に戻れない。そう予測しながらも、今回もニューヨークのサバイバルが期待される。

 

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