2020年7月8日 水曜日 神奈川新聞掲載
執筆者
関山誠

ロックフェラーセンターのアトラス像もマスクを着用している。 6月25日、ニューヨーク5番街

毎朝体温を測り、体調を確認し、マスクをして家を出る。勤務先で入館待ちの列に6フィート(1.8メートル)間隔で並ぶ。16人乗りのエレベーターは一度に6人までに制限された。事務室入り口で手指を消毒し、やはり6フィートずつ間を置いた机に着き、マスクをしたまま仕事を始める。再開したオフィスワークの新しい日常だ。

ニューヨーク州の経済・社会活動再開の目標は、密な状況をつくらずに生産性を向上させること。6フィートの間隔とマスクの着用は日常の行動原則となった。

街中にも新しい日常が広がる。理美容室は入店前に利用客の検温と体調確認を行い、マスク着用を求める。レストランはまだ屋内で営業できないため、外の通りに席を設けて再開した。独立記念日恒例の花火大会は密集を避けるため、5か所で分散開催し、時間をそれぞれ5分に短縮した。

残るは9月の新学期以降に再開見込みの学校と、6フィートの間隔という原則を守るために最も厳しい対応を迫られるエンターテインメントだ。オペラやミュージカルはニューヨークにとって、常に世界の耳目を引く大切な都市の構成要素。メトロポリタン・オペラは大みそかに再開する見込みを発表し、ブロードウェイ・ミュージカルは来年初めの再開を目指している。

州知事は、感染者の減少を人々の自制と用心の結果とたたえる。ニューヨーカーは6フィートの間隔とマスクの着用を守りながら、全てが新しい日常に生れ変わるのを待っている。

 

【関連記事】

COVID-19記事シリーズ