2026年6月8-10日に、米国ハワイ州ホノルルで太平洋気候サミット2026(Pacific Climate Summit 2026)が初開催され、日本の自治体として唯一参加した横浜市は、循環型都市への移行に向けたアジア太平洋地域のおけるイニシアティブを発表しました。この会議には、アジア太平洋地域を中心に、政府、自治体、金融機関、財団、企業、大学、市民社会組織のリーダーが集まり、気候変動対策、クリーンエネルギー、イノベーション、投資促進について議論しました。
会議の主な目的は次のとおりです。
- アジア太平洋地域における気候変動対策と脱炭素化を推進すること。
- 都市・州政府・国政府・投資家・民間企業などの連携を強化すること。
- 気候ソリューション、クリーンエネルギー、レジリエンス(強靭性)、持続可能な開発への投資を促進すること。
- 官民および非営利組織間の新たなパートナーシップを創出すること。
本サミットは、カリフォルニア大学バークレー校のファン・ダイ博士が設立した非営利団体Pacific Civic Exchange* が主催し、Global Green Growth Institute(GGGI)、ICLEI – Local Governments for Sustainability、New Energy Nexus などの組織が連携パートナーとして参加しました。都市や州などの自治体・地域政府(サブナショナル政府)が、国家気候変動対策や国際協力を主導する役割を強めていることと共に、気候変動対策を環境政策としてだけでなく、産業振興、投資誘致、イノベーション創出、国際都市間連携を推進するドライバーであることが会議を通して強調されました。
*Pacific Civic Exchangeは、California-China Climate Institute から派生し設立された団体
気候リーダーシップと地方政府の役割
横浜市からは佐藤副市長が、6月9日の「地方レベルでの気候変動対策と協力:太平洋地域の都市との対話」にパネリストとして登壇しました。
基調講演を務めたClimate Mayorsのケイト・ライト氏は、米国の都市における気候政策が継続的に進展しているとし、公共交通の電化やクリーンエネルギー導入などの分野で先導的な取組を進めていることを紹介しました。また、ポートランド市のヒートポンプ導入プログラムや、ボイシ市の植樹事業などの地域的な取組事例を紹介し、自然を活用した解決策(Nature-based Solutions)や手頃な価格での気候対策の重要性を強調しました。

パネルディスカッションには、イクレイ米国CEOのSaharnaz Mirzazadによる進行のもと、米国のロスアンゼルス市、フィリピンのバギオ市、日本の横浜市、中国の長春市の代表者が参加し、各都市の取組と経験が共有されました。
- ロサンゼルス市(米国): 2045年までのカーボンニュートラル達成を目標に、エネルギー、交通、建築分野の脱炭素化を進めており、再生可能エネルギーの割合を3%から約50%へと大幅に拡大し、石炭依存度を47%からゼロまで削減。
- バギオ市(フィリピン): 循環経済条例に基づく廃棄物管理を推進しており、アメリカミズアブ(ブラックソルジャーフライ)を活用して食品廃棄物を肥料へと転換。
- 横浜市(日本): カーボンニュートラルではみなとみらい21地区におけるプロジェクトを推進し、サーキュラーエコノミーでは、アジア太平洋における循環型都市への移行(アジア循環型都市宣言、APCCフォーラム)を先導。
- 長春市(中国): 中国の「デュアルカーボン(炭素排出ピークアウト・カーボンニュートラル)」目標のもと、新エネルギー車への転換と生態系保全を推進。
また、カリフォルニア州のクリーンカー義務化制度、低炭素燃料基準(Low Carbon Fuel Standard:LCFS)、やキャップ・アンド・インベスト制度といった、地方レベルの制度が市場や温室効果ガス排出削減に与えるインパクトと重要性が議論されると共に、気候変動対策を推進するうえで、横浜市の先導によって設立されたアジア循環型都市宣言をはじめとする国際都市ネットワークやパートナーシップの重要性が強調され、2027年3月から9月まで横浜で開催されるGREEN × EXPO 2027にも多くの関心が寄せられました。

太平洋気候サミット:
https://pacificclimatesummit.rsvpify.com/
アジア循環型都市宣言:
https://japan.iclei.org/ja/asian-circular-cities-declaration-accd/
APCCフォーラム:













