2020年12月2日 水曜日曜日 神奈川新聞掲載
執筆 関山誠
米国内の感染ペースが再び加速している。1日当たりの新規感染者は一時20万人に迫り、これまでの死亡者数は25万人を超えた。世界最悪が止まらない。
全米各地で再び対策強化の動きが広がっている。シカゴ市長は「生きるか死ぬかの深刻な事態」として市民に自宅待機を勧告するとともに、感謝祭の会食や旅行を中止するよう求めた。サンフランシスコ市はレストランの店内飲食を禁止し、経済活動の再開停止や後退も辞さない構え。フィラデルフィア市は屋内の集まりを禁じ、屋外のイベントも制限する方針だ。ミシガン州とワシントン州も飲食店などの屋内営業を禁止。カリフォルニア州は感染拡大が懸念される地域で夜間自宅待機令を復活させた。
ニューヨーク州の陽性率は3%前後で推移。各州で比較すると依然低いレベルにあるが、既にレストランの夜10時~朝5時までの閉店、自宅での集まりを10人以下に制限するなど対策を講じている。ニューヨーク市はこれに加え、学校の対面授業を停止してオンラインに移行。マスク着用を始めとした一人一人の責任ある行動を呼び掛けている。
ニューヨーカーの「希望の象徴」、ロックフェラーセンターのクリスマスツリーが今年も点灯準備を始めた。世界恐慌から9•11中枢同時多発テロ、そして今日に至るまで、楽しい時も苦しい時もその時々に仰ぎ見る人たちへ希望を見せてきたという。未曽有の困難に立ち向かった2020年。12月2日には、いつもどおりの〝希望の灯〟がともる。
2日の点灯式(テレビ中継のみ)を待つクリスマスツリー=11月27日、マンハッタンのロックフェラーセンター
参考
横浜市では、市内企業・団体等の皆様にお役立ていただくため、感染が世界的な拡大の兆しを見せた2020(令和2)年2月から、フランクフルト、上海、ムンバイ、ニューヨークに所在する4つの事務所が、それぞれの所在地域における新型コロナウイルス感染症に関する情報を独自に収集し、神奈川新聞及び各事務所のウェブサイトで発信してきました。
そのような、まさに現地に駐在している職員だからこそ可能な、現地における市民生活への影響、経済活動の動向、感染症対策などに関する情報発信は約1年間に渡り、57件を数えました。このたび、それらを「コロナ禍の世界 記録集」として一冊にまとめ、改めてお届けします。
コロナ禍の世界 記録集(2020~2021年)27.57MB