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横浜・LINK-J ライフサイエンス・ラウンジ 第一回セミナーを開催しました:NYのライフサイエンス・エコシステムとは?

執筆者 | 2022年12月17日

横浜市と 一般社団法人ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(LINK-J) は、2022年10月に、米国のライフサイエンスビジネスに関する最新情報と交流の場を提供する「横浜・LINK-Jライフサイエンス・ラウンジ@NYC」を横浜市米州事務所内に開設し、現地時間12月15日、ニューヨークのライフサイエンス・エコシステムをテーマに、同ラウンジ第一回目のセミナーを開催しました。セミナーには、現地から会場参加の他、オンラインで500名近くの登録があり、日本企業の米国ビジネス、そして、横浜・LINK-Jライフサイエンス・ラウンジ@NYCへの関心の高さが伺えました。

 

基調講演:製薬企業、なぜ米国?

冒頭、高橋俊一 LINK-J事務局長からLINK-Jの紹介、赤岡謙 横浜市米州事務所長から横浜市のライフサイエンス支援の紹介があり、講演パートでは、元バイエル薬品取締役会長の栄木憲和氏が、米国を目指すべき理由について解説しました。栄木氏は、医療・医薬品業界は、過去10年間よりも2020年の10か月でより進歩した、と言います。そして、①市場の規模と成長性、②投資環境、③人口動態から日米の違いを説明されました。また、米国の特徴として、国産にこだわらないワクチン開発戦略、R&Dへの政府・民間支出、ラージ・ファーマと新興ファーマとの二極化を取り上げました。最後に、日本企業が米国で成長するために、①米国からの資金調達、②若い人材を米国に送り込むこと、③アカデミアとの提携を、成功のカギとし、講演を締めくくりました。

 

パネルディスカッション:ニューヨークのライフサイエンス・エコシステム

パネルディスカッション・パートでは、産業、投資、行政それぞれの視点から、ニューヨークのライフサイエンス・エコシステムを議論しました。講演に引き続き、栄木氏は、ニューヨークの特徴として、大富豪が多く、そういう人たちがベンチャーキャピタルを動かしていること、さらに、製薬企業の本社(意思決定機能)の多くがニューヨーク-ニュージャージーにあることに触れました。

投資家としての経歴を持ち、現在、シミックホールディングスCEO補佐である武田秀俊氏は、「ニューヨークは金融のハブであり、ハブであるために世界の情報を握っている。そして、ベンチャーがスケールする長い過程で、ニューヨークの金融力が必要になってくる。」と言います。これに同調し、栄木氏は、「ニューヨークのベンチャーキャピタリストはサイエンスに非常に長けている。ニューヨークにきて、金融環境がどうなっているか、どのような新薬開発のシーズが動いているかを探ることが大事。」とコメントしました。

行政の視点から、横浜市米州事務所の谷澤寿和 副所長は、ニューヨークのライフサイエンス・エコシステム形成において、州や市の果たしている役割の大きさを強調しました。州と市合わせて10年間で15億ドル以上をライフサイエンスの商業化のために拠出するイニシアティブが行われているとし、大学でのトランスレーショナル・リサーチの推進、インキュベーター・アクセラレーターの誘致、ラボスペースの開発促進などを事例として紹介しました。

パネルディスカッション:ニューヨークのライフサイエンス・エコシステム

日本企業へのメッセージ

日本企業に向けて、栄木氏は、米国でインサイダーになることの重要性を説きます。武田氏は、米国そしてニューヨークのダイナミズムに触れて、それを日本に持ち帰ってほしいとし、一緒に成功モデルを作っていきたいという抱負を語られました。谷澤 米州事務所副所長からは、横浜・LINK-Jライフサイエンス・ラウンジが日本と米国とのギャップを埋める接点の一つとなりたいと、意気込みを表しました。今回MCを務められた高橋俊一氏は、3名の話を受けて、「情報のハブとなるという点で、ボストン、サンフランシスコ、サンディエゴなどとは異なる、ニューヨークの価値がありそうだ。」という感想を持たれ、実際に米国に来てその熱量を肌で感じることの重要性にも共感されました。

パネルディスカッション:ニューヨークのライフサイエンス・エコシステム(2)

本セミナー「米国の創薬市場トレンドとニューヨークのライフサイエンス・エコシステム」のアーカイブ動画をご覧いただけます。(一定期間経過後非公開となる可能性がございます。)

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