米国都市の脱炭素政策と気候テックエコシステム

脱炭素社会に向けて、官民が一体となった取り組みやイノベーションが求められている。民間セクターにおいては、気候テックによるイノベーションを提案するスタートアップの存在感が増してきている。2022年に入り、投資が減速しているが、PitchbookのClimate Tech Report(Q1, 2022(1))は「長期的には、ウクライナ攻撃とそれに伴う欧州のエネルギー自立化要求により、水素、ソーラー、バッテリー、原子力、風力などのクライメートテック投資が加速される可能性がある」とみている。都市レベルにおいても、世界各地で脱炭素に向けた野心的な規制やプログラムなど、様々な政策・事業が施されている。

北米の存在感は大きく、投資とイノベーションをけん引している。そこで、PWCの「2021年版気候テックの現状(State of Climate Tech 2021(2))」レポートにおいて、最も投資が活発だった投資ハブ(Top 5 investment hubs、2020年下半期~2021年上半期)世界上位5都市のうち、北米3地域を対象に、地域の脱炭素政策と気候テックエコシステムを紹介する。

投資ハブ世界上位5都市(2020年下半期~2021年上半期)

1位 サンフランシスコ・ベイエリア(米国カリフォルニア州)
2位 ロンドン(英国)
3位 ベルリン(ドイツ)
4位 ニューヨーク(米国ニューヨーク州)
5位 ボストン(米国マサチューセッツ州)

(出典)PwC “State of Climate Tech 2021”を基に作成

脱炭素政策については、各自治体が公表している最新の脱炭素目標、具体策などを中心に整理する。また、各地域の気候テックエコシステムについては、サンフランシスコとボストンでは、これらの地域から誕生した気候テックのユニコーン企業に注目し、これら企業の誕生・成長を支えてきた様々なステークホルダーを取り上げることで、地域の気候テックを取り巻くビジネス環境を紹介する。また、ニューヨークについては、気候テックエコシステムのグローバル拠点設立に向け、自治体も参加した新たな取り組みが始まっていることから、その最新動向をお伝えする。