ボストンの気候テック・エコシステム⑤:気候テック・スタートアップへの重層的な支援

ボストンの気候テック・エコシステム⑤:気候テック・スタートアップへの重層的な支援

前項まで、ボストンの気候テック・エコシステムの主要なハブとして、グリーンタウン・ラボ、MIT、マサチューセッツ・クリーン・エネルギー・センターを取り上げてきたが、ボストンを中心にマサチューセッツ州内には、気候テック・スタートアップを支えるまだまだ多くの支援機関やプログラムが存在する。 詳細レポートはこちらからご覧いただけます 【インキュベーター】 機関/プログラム名 概要 グリーンタウン・ラボとの関係 マスロボティクス (MassRobotics)...
ボストンの気候テックエコシステム④:気候テックの実証促進「マサチューセッツ・クリーン・エネルギー・センター」

ボストンの気候テックエコシステム④:気候テックの実証促進「マサチューセッツ・クリーン・エネルギー・センター」

気候テックの多くは、商用化までに長い年月を要するため、民間投資のみで成長させることが難しく、公的な支援が必要とされている。ボストンの気候テックへの政府系支援で大きな役割を担っているのが、準公的機関であるマサチューセッツ・クリーン・エネルギー・センター(MassCEC)である。[1] マサチューセッツ・クリーン・エネルギー・センターは、クリーン・エネルギー・セクターの成長のために2009年にマサチューセッツ州(州法)によって設立された経済開発機関である。[2]...
ボストンの気候テックエコシステム③:気候テック人材の源泉「マサチューセッツ工科大学(MIT)」

ボストンの気候テックエコシステム③:気候テック人材の源泉「マサチューセッツ工科大学(MIT)」

グリーンタウン・ラボのメンバー企業・卒業企業の創業者は、マサチューセッツ州内の大学出身者であることが多い。特に、マサチューセッツ工科大学(MIT)出身者が創業したスタートアップは、グリーンタウン・ラボの全メンバー企業・卒業企業の中で最も多いおよそ4分の1を占める。[1] このことは、MITがボストンにおける気候テック人材の源泉となっていることを物語っている。本項では、気候テック領域の起業家やスタートアップが活用する、MITの支援プログラムやコミュニティを概観する。 詳細レポートはこちらからご覧いただけます 起業支援:MIT...
ボストンの気候テックエコシステム②:全米最大の気候テック・インキュベーター「グリーンタウン・ラボ」

ボストンの気候テックエコシステム②:全米最大の気候テック・インキュベーター「グリーンタウン・ラボ」

グリーンタウン・ラボは北米最大の気候テック・インキュベーターであり、ボストンの気候テック・エコシステムの中でも存在感を放っている。2011年、気候テック・スタートアップ4社(Promethean Power Systems, Altaeros Energies, Coincident (現Embue), OsComp Systems(現Reach Production...
米国気候テックイベントとスタートアップの興隆

米国気候テックイベントとスタートアップの興隆

2022年、米国では、気候変動を解決するための技術(以下、気候テック)に関する、実に多彩なイベントが開催された。米国にはシリコンバレーに代表されるように、人材が集まり、新興企業(以下、スタートアップ)が次々と誕生しては淘汰され、その中でイノベーションが創発されるエコシステムが都市や地域に存在する。地域によっては、特定の分野・領域においてユニークで強力なエコシステムが発展している事例が見られ、サンフランシスコ・ベイエリア、ボストン、ニューヨークといった都市・地域には、気候テックの領域で、スタートアップのエコシステムが存在し投資を呼び込ん...