北米特集記事

カリフォルニア州アラメダ郡(Alameda County, CA)

執筆者 | 2019年6月20日 | 特集記事, 米国産業クラスター情報

地理と交通

アラメダ郡は、サンフランシスコ湾エリアにあり、サンフランシスコ湾の東岸に位置し、北部をコントラコスタ郡(Contra Costa County)と接している(Google Map)。郡都はオークランド(Oakland)。アラメダ郡には、オークランド国際空港(Oakland International Airport)がある。アラメダ郡からサンフランシスコ市などの周辺主要都市へのアクセスは、自動車やバス以外にも、ベイエリア高速鉄道(Bay Area Rapid Transit:BART)やアルタモント通勤急行(Altamont Commuter Express:ACE)、サンタクララバレー交通局(Santa Clara Valley Transportation Authority:VTA)のライトレールなど、様々な公共交通のオプションがある。

統計(人口、産業)

アラメダ郡の人口は1,663,190人(2017年、米センサス)。白人が50.2%と全米平均の76.6%より26ポイント以上低い一方、アジア系が31.1%(全米:5.8%)とアジア人が多い。25歳以上にしめる最終学歴が学士卒業以上の割合は44.7%(2013-2017年)で、全米の30.9%を13ポイント以上上回っている。平均所得は85,743ドル(2013-2017年)で、全米平均の57,652ドルの約1.5倍と比較的高いが、同じくサンフランシスコ湾地域のサンフランシスコ郡(96,265ドル)、サンマテオ郡(105,667ドル)、サンタクララ郡(106,761ドル)と比べると低い。また、サンフランシスコ湾地域の中で、アラメダ郡とコントラコスタ郡をあわせたイースト・ベイ地域は比較的家賃が安く、交通の便も良いため、イースト・ベイ地域に住み、サンフランシスコ郡などへ通勤する住民も多い。イースト・ベイ経済開発連合(East Bay Economic Development Alliance:East Bay EDA)の発表によれば、2016年、イースト・ベイ地域の就労人口に占める約3分の1がサンフランシスコ郡やサンタクララ郡などに通勤していることがわかっている 。

産業別では専門的・科学的・技術的サービス業の雇用が全産業合計に占める割合が、全米平均と比べて特に高い(2016年、米センサス)。

また、全米の郡の中でも自動車産業関連の雇用数が集中している場所としても知られている。米商務省経済開発局(Economic Development Administration: EDA)の助成を受け、ハーバード大学ビジネススクール(Harvard Business School)が運営するクラスターマッピングプロジェクト(Cluster Mapping)によれば、ミシガン州ウェイン郡およびマコーム郡、ケンタッキー州ジェファーソン郡に続き、19,805人のアラメダ郡が4位となっている。

電気自動車、IT、バイオ医療

アラメダ郡における自動車産業の雇用を支えているのがフリーモント市(Fremont)にあるTeslaの自動車工場である。同社はカリフォルニア州製造業で最大級の雇用を誇る企業のひとつ。フリーモントの工場では、1,000万平方フィートの敷地に1万人以上が働いている 。同工場には社員向けトレーニングセンター、カフェテリア、ジム、メディカルセンターなどが併設されている。Teslaの工場進出以前の1962年~1982年にはGeneral Motors(GM)が、1984年からはGMとトヨタ自動車による合弁会社United Motor Manufacturing(NUMMI)が工場を持っていた。2009年の両社の合併解消後、2010年にTeslaが同工場を購入し、大規模な改修を経て2012年からセダンタイプの電気自動車Model Sを生産している。

アラメダ郡は自動車以外にもIT、バイオ医療の雇用数が全米の他の郡と比べて多く、それぞれ全米10位以内に入っている(Cluster Mapping プロジェクト)。実際、Tesla以外で雇用数の多い郡内の企業には、フリーモント市にあるコンピュータ・ストレージ大手のWestern Digitalや医療機器のLifeScanなどが含まれている。また、オークランド市に本拠地のあるカイザー・パーマネンテ(Kaiser Permanente)など大規模な医療機関も多く、Bayer Health CareやGrifols Diagnostic Solutionsなどのバイオ医薬や医療関連の研究施設もオークランド市やバークレー市(Berkeley)に置かれている。

新興企業へのベンチャー投資を見ても、IT、ライフサイエンス関連企業向けが多い。East Bay EDAの発表によれば、イースト・ベイ地域全体での2017年におけるベンチャー投資の総額は24億ドルで前年から8.5%増加した(カリフォルニア州全体に占める割合は7.8%) 。対象分野は、ライフサイエンス、癌研究、クリーンテック、ソフトウェア、製造、モバイル、フィンテック、ロボティックス及びドローン、IoT、人工知能が含まれている。なお、アラメダ郡を含むイースト・ベイ地域は、オフィス、研究開発施設、倉庫などの商業用不動産の単位面積当たりの賃料がサンフランシスコ郡より30~45%も安いことから、新興企業からの注目度が高いロケーションとなっている。

先端R&D拠点:DOE傘下の国立研究所とUCバークレー

米国を代表する教育・研究機関も集まっており、エネルギー省(Department of Energy:DOE)傘下の国立研究所として、ローレンス・リバモア国立研究所(Lawrence Livermore National Laboratory:LLNL)、ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory:LBNL)に加え、サンディア国立研究所(Sandia National Laboratories:SNL)の主要研究施設もある。大学では、カリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley:UCバークレー)がある。UCバークレーは、U.S. News による全米大学ランキング2019年版で総合22位、公立大学ではカリフォルニア大学ロサンゼルス校につぐ2位に入るトップ大学である 。大学院学部・学科別ランキングでは、全米1位のコンピュータ・サイエンスをはじめ、高い評価を得ている学部・学科を数多く設置している。交通分野もそのひとつで、同大学で70年以上の歴史を有する交通学研究所(Institute of Transportation Studies:ITS)では、次世代交通システムに関する様々な研究・実証実験が行われている。

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